~第一章~ 一年生:夏まで

生来の引っ込み思案の性格から、入学式以降、すでに三ヶ月以上が経ったというのに、私には友人らしき人物すらいませんでした。もっとも、その頃の私はというと、その状況を打開しようという情熱すらなく、高校入学以前のように、なるべく大人しく、とくに波風を立てずに暮らしていければ良いと考えていました。けれど、いまになって振り返ってみると、それはけっして本心ではなく、単に、自分自身に対する自信のなさに起因する、コミュニケーション能力の欠如が問題だったのです。

そんな生活が続くなか、私はひょんなきっかけで、母から乳酸菌サプリを薦められました。私は、中学時代に花粉症を発症して以来、鼻炎や目のかゆみに悩まされていました。そんなとき、アレルギー体質の改善に乳酸菌が効果を発揮する、という情報を母がどこかから仕入れてきて、同じく花粉症である母と一緒に、乳酸菌サプリを摂ってみよう、という流れになったわけです。この出来事がのちに私にもたらす効果がどれほどのものなのか、当時の私は当然ながら想像すらしていません。

第二章