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ガイ・フォークス 印刷 E-mail
あなたの感想: / 4
まあまあおもしろそう! 
監督:ニール・ジョーダン

キャスト
ダニエル・クレイグ
ロバート・カーライル


彼の名前を初めて聞いたのは、『ハリー・ポッターと賢者の石 』の中だった。(それまでにもその名前を耳にしたことがあるかもしれないが、認識したのは間違いなくそのときである)その中でヴォルデモートが消えたことを喜ぶ魔法族たちが花火をあげて喜んでいるのを、人間たち(この小説の中では「マグル」と呼ばれる)が見て、誰かがガイ・フォークス・ナイトの日を勘違いしたのだろうという記述があった。(ガイ・フォークス・ナイトには花火をあげる習慣がある)

二度目は『Vフォー・ヴェンデッタ』の主人公「V」のモデルがガイ・フォークスであると知ったとき。(たしかどこかの映画雑誌だったと思う)

どちらのときも心にひっかかる違和感があった。それはなぜ自分はこの人物のことをまったく知らなかったのだろう、ということだった。どちらの作品でもごく当たり前のごとく、この名前を扱っている。ということは、この人物は「有名人」に違いない。歴史上においても重要な人物なのだろう。だが、わたしは聞いたこともない――この感覚を「違和感」というのだろうか、あるいは「疎外感」といったほうがいいかもしれない。ともかく、わたしはこの人物についてまったく知識がなかった。

もちろん、イギリスに行ったこともないわたしがイギリス史に出てくるひとりの人物について知らなかったことは、ほとんどのイギリス人が明智光秀を知らないことと同様(これは推測であるが、おそらくそうだろうと思う)、不思議なことではないように思われる。

しかし、高校のときに「世界史」をとっていたわたしとしてはイギリス史も当然勉強したわけで、この人物について少しは知っていてもよさそうなものである。日本史を勉強した外国人が明智光秀のことを知ることと同様である。(その外国人がどこまで詳しく日本史を勉強するかにもよるが。ここでことさら明智光秀を例に出すのはただ彼の名前を思い出したからである。あまりパッとしない(明智さん、失礼)歴史上の人物として思い出しただけなのだが、のちにガイ・フォークスとはまったく歴史的位置付けが異なる人物だとわかる)

そこで高校の「世界史」の参考書を開いてみると、やはり載ってない。(ここで少し「安堵感」。聞いたことがあってそれをまったく思い出さないのは気持ちが悪いものである。最近はよくあることなのだが……)

インターネットで調べてみると(wikipediaは本当に便利だ。正しくない情報が載っていることもあるが、あの情報量は素晴らしい。利用するたびに、たまには自分も貢献しなければと思う)、ガイ・フォークスは1605年に政府転覆未遂事件(火薬陰謀事件)の首謀者とのこと。

火薬陰謀事件とはイングランド国教会優遇政策のもとで弾圧されていたカトリック教徒の過激派たちが、国王ジェームズ一世を含む多数の国会議員を爆殺しようとした事件である。

結局、失敗に終わったわけだが、国家に反逆したガイ・フォークスへの刑が凄まじい。「Hanged,drawn and quartered(首吊り、内臓えぐり、四つ裂きの刑)」である。

この事件にちなんで、イギリス(北アイルランドを除く)では毎年11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」という行事が催されることになる。「ガイ(Guy)」と呼ばれる、ガイ・フォークスを表す人形を子供たちが曳き回し、最後には篝火に投げ入れられるという行事である。現在ではただ花火をあげるだけに簡略化(?)されているそうだ。(どこの国でも面倒なことは省略されていく)

そんな彼だが、彼の名前はおそらく世界で一番使われている名前(人を表す言葉という意味で)のひとつだろうと思う。それは「男、やつ」を意味する「ガイ(guy)」が彼の名前に由来するせいである。

この事件について、もう少し知りたいものだと思う。できればビジュアルで。ということで映画化を希望したい。

調べてみると一度『ガイ・フォークス』というタイトルで映画化されている。1923年(古い!)、白黒、サイレントで。この映画を見る機会はおそらくないだろう。

あらたに映画化するならば、ガイ・フォークスは偉丈夫だったということだから、ガイ・フォークス役に思い浮かぶ俳優は……リーアム・ニーソン……だけれども、彼は『ロブ・ロイ』、『マイケル・コリンズ』で歴史的反逆者をすでに演じており、新鮮味がない、それに彼の年齢(2007年現在、55歳)では火薬陰謀事件を起こしたガイ・フォークス(当時35歳)には合わない。

そこで考えられるのは、イギリスの俳優で35歳前後、偉丈夫……ということでダニエル・クレイグはどうだろう。背はそれほど高くないが、(178センチ)『007 カジノ・ロワイヤル』で見せた運動神経のよさを生かせられる役柄だと思う。あわせて『007 カジノ・ロワイヤル』の前評判の悪さを覆した反逆精神はガイ・フォークスに通じるものがある(?)。

それになんといっても彼には、どこか「奴」(guy)という言葉が似合う気がする。

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